仮想通貨元年といわれた2017年末、イーサリアムを抜いて仮想通貨時価総額ランキング第2位に躍り出たリップルが大人気となっています。Googleが出資していることでも知られているリップルが提供するには、現行の銀行送金の課題を改善するサービスとなります。
この記事のもくじ
リップルの特徴とは
リップルとは仮想通貨のことを指しますが、正式にはリップル株式会社(Ripple.inc)が提供するリップル・トランザクション・プロトコルというサービスのことです。
2004年カナダのRyan Fuggerというweb開発者によって作られますが、リップル内の仮想通貨(暗号通貨)XRPを使っていろいろな通貨と直接取引することができます。
リップル社では、xRapid、xVia、xCurrent、など複数の金融システムを提供していますが、現在まで発表された金融機関でのリップル社のブロックチェーンシステムの利用の多くはxCurrentというシステムを指す場合が多く、実際にリップルが利用されるのはxRapidというシステムになります。
こうしたニュースや取引情報の誤認が最近では指摘されていますが、詳細なシステムや商品が違うとはいえ、同じリップル社の金融システムであることには変わりないので通貨としてのリップルの評価にも影響していると言えます。
去年から、世界中の大きな金融機関から利用が発表されているリップル社の金融システムで使われている暗号通貨ですから自然と注目は集まっていますし、筆者の個人的な考えでは仮想通貨の代表ともいえるビットコインよりも今後注目の仮想通貨だと考えています。
リップルが注目を集める理由とは
リップルは以下の2つのメリットを実現可能にするサービスです。
- 現行の銀行間取引より迅速かつ安い手数料で取引が可能
- 決済システムがビットコインよりも圧倒的に早く数秒で完結する
リップルの特徴を説明すると銀行間取引で従来より迅速かつ安い手数料での送金を可能にすることと言えます。これは通貨と通貨をつなぐブリッジ機能としての役割にまります。
リップルが大きく注目されるようになったのは、仮想通貨元年といわれることになる2017年3月に三菱東京UFJ銀行がリップルを使ったネットワーク利用を表明したころからで、ここから価格も急騰していくことになります。
ビットコインのメリットとして語られるポイントに、ビットコイン所有者であれば個人間での送金が可能で、これまで海外送金など数千円の送金手数料と数日かかっていた取引が、激安手数料と短い時間で済むようになるというものがあります。
これらのサービスとリップルが決定的に違うのは、リップルは銀行間取引で利用されるシステムを作っているということで、銀行を通さずに個人間で取引するビットコインなどの他の仮想通貨の送金サービスとは異なります。
もちろん、リップルも仮想通貨ですから個人間取引にも利用できますが、銀行がリップルを採用することで他の仮想通貨の個人間送金はそれほど普及することはないかもしれません。
リップルは金融機関などで海外送金をする時にかかる時間と手数料をほぼ無くしました。ちなみに処理の手続きの時間に関しては数秒と言われています。例えば、同じ目的でビットコインを使用した場合でも数分程度はかかると言われていますのでその処理手続きの速さは抜き出ているのが特徴です。
中央集権型のシステムの特性
よく言われるのがビットコインはマニング(採掘)という行為を世界中の不特定多数者がおこない管理するので管理者のいない通貨と言われています。こういった状況は、資産としての裏付けがなくマニングによって際限なく増えてしまい価値を損なうといった懸念が指摘されています。
それに比べリップルは、管理者はシステム管理者であるリップル社となります。そして発行上限数も1000億XRPと既に決まっていてプログラムされシステムのルールの中では変更されないと言われています。これは日銀が円を管理したりするように管理者が明確な通貨と言えます。
ただ、問題としてはプログラムされたルールがあるとはいえ、システム自体がリップル社の管理下にありリップル社の意向や業績などに影響を受けやすい点です。
リップルと他のサービスの違い
具体的にリップルの実力を知るには、その処理スピードと処理能力を他のサービスと比較するとよく理解できます。
まず、処理スピードとしては、リップル(XRP)の決済は4秒で完了しますが、これはイーサリアムの2分、ビットコインの1時間以上、従来の銀行システムの3~5日と比較すると圧倒的なスピードとなります。
では、処理能力はどうでしょう。
リップル(XRP)の処理能力は現在、毎秒1,500件の取引を処理しています。取引量が増えてくるとこの処理能力が非常に重要となり、どれだけ早く処理することができるかでシステムの良し悪しを決めてしまいます。
分裂騒動を引き起こすビットコインでいつも問題となるのも処理能力で、問題解決のためにコミュニティ内に対立が起こりハードフォークの際に分裂することになります。
この点、圧倒的な処理能力を有するリップルの場合には、このような問題は起こりにくいと考えられています。
現在、ビットコインやイーサリアムの処理能力は毎秒14~15件となり、クレジットカード最大手のVISAで毎秒5,000件といわれています。
リップルの将来性を予想
リップルは、仮想通貨バブルといわれる2017年12月には記録的な大暴騰を演じることとなり、この1年だけでも価格は400倍も上昇することとなり、多くの億り人(おくりびと)を誕生させることとなりました。
今後のリップルの将来性や価格がどうなるのか気になるところです。
2017年12月の記録的な暴騰の理由とは
2107年12月に火が付いたリップル相場は、仮想通貨バブルの中でも象徴的な動きを見せましたが、ここは冷静に判断したいところで、リップル以外の仮想通貨の多くも大暴騰していますし、株式市場も上昇しています。
12月というのは時期的な問題やボーナスなどで株式などは上昇しやすい時期でもありますし、何より世界的な低金利による金余り状態という背景があります。
ここにビットコインのCME先物上場という材料で仮想通貨が世の中的に認知されることになりましたから、仮想通貨全体に資金が向かうことになりました。
中でもリップルの上昇率が激しかったのは、それまでそれほど上昇していなかったということもありますが、リップルのロックアップという資本政策にもよるところが大きかったでしょう。
ロックアップとは、リップルはビットコインなどと同様にXRPの発行上限を1,000億XRPとしていますが、リップル社が保有する640億XRPのうち550億XRPを2017年12月末までロックアップ(凍結)し、その後毎月10億XRO解除していくというものです。
簡単に言うと、つまり売り物が少ない状態であったところにバブルが発生してしまったという状態であったわけです。
2018年に入るとさすがに利確におされ、さらに1月16日の仮想通貨暴落の影響で価格は下がりますが現在は落ち着いてきている状況です。
投機相場から実需相場になるのを待ちたいところです。
リップルの将来性は→不安はあるが必要性は増す
投資の世界では相場のことは相場に聞くしかないのですが、リップルの場合にはリップルが普及することがその将来性に大きくかかわることになります。
現在の仮想通貨市場は韓国、中国、アメリカなど各国の仮想通貨に対する規制強化の懸念と年末かに急上昇した市場の調整感もあり価格は年初から下落の方向にあります。しかしながらリップルは2017年11月に発表されたAmerican Express(通称アメックス)との提携やアメリカメキシコ間の国際送金を2018年初旬に目指すとも言われていて企業間での活用や国から国といった多国間での利用が増え益々、リップルの必要性と信頼度は増していくと思っています。
それを後押しするかのように年明けにも、世界規模の5大送金企業のうち3企業が、リップル社の支払いシステムを使用するとリップル社が発表してます。
他にも、世界中の大手を含む銀行に採用されたり検討されているリップルですが、仮に1XRP=100円としても発行上限1,000憶ですから、10兆円前後の送金しかできません。
2016年4月の米ドル円の取引量が約90兆円ですので、10兆円では全く足りませんし、世界中の銀行で利用されることになるとさらに不足感は大きくなります。
つまり、リップルの適正価格はまだまだこんなものではないというのが、リップル信者の言い分となります。
仮想通貨市場でリップルの特性の理解が深まれば価値も上がる
2017年は仮想通貨元年とも言われ様々な仮想通貨が誕生しましたが、数ある仮想通貨の特性などを理解しないまま投資をしていた方も多くいたと思いますが、年明けの下落を機に仮想通貨それぞれの特徴などを詳しく調べる投資方の方が増えています。
そんな、投資方の方が増えればリップルの仮想通貨内での評価はより上がるものだと考えリップルをこれまで以上に注目して見ていこうと思います。
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